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8.神々が宿る高尾の世界

山奥の不思議な神社を知っていますか?

高尾集落

新コース「8神々が宿る高尾の世界」の「高尾集落」ページはこちらから↓

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 櫛形山中腹の標高約800m~900mに立地する集落です。

かつては「鷹尾」と表記されており、これは、昔、日本武尊が酒折の宮から櫛形山を眺め、鷹が巣に座している姿に見えたことから「鷹座巣山」と呼ばれたという伝承によるもので、尾の北側にある集落を「北鷹尾」、つまり現在の「高尾」地区と呼ぶようになったと言い伝えられています。ちなみに南高尾は平林地区(現富士川町)です。



 集落の西端には式内社に推定される穂見神社が佇み、東南方向に傾斜し眺望が開ける位置に広がります。
 江戸時代を通しておおよそ20戸前後があったとされ、林業が盛んとなった昭和の戦後まもなくにかけては最も戸数が多く、30戸を超えていました。
 写真は昭和33年頃の様子です。静けさの中にも子供たちの声が聞こえてきそうな昔懐かしい「高尾」の風景です。

[画像:個人所有]

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 その後、輸入材の普及や、薪、炭に変わる燃料が主流になると、徐々に住民は里へと降り、現在は数軒となっています。
民家の点在する地域は主に二地域に分かれ神社の膝元に展開する地域(2枚目写真)、眺望の開ける地域(3枚目写真)とに分布しています。
集落を散策すると、神々しい雰囲気に包まれたパワースポット「穂見神社」をはじめ、茅葺屋根の古民家や石塔など、道すがら山間集落のノスタルジックな風景に出会え、高尾集落の歴史に裏付けられた本物の魅力に溢れた集落といえます。散策におススメです!

高尾 穂見神社

高尾集落の北西端、標高870mの地点に穂見神社があります。
穂見神社は平安時代に編さんされた延喜式に掲載されている式内社と伝わる由緒ある神社で、その雰囲気は神々しく、高尾集落の象徴ともいえます。

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 集落から抜けて坂道を下ると、穂見神社のシンボルともいえる大きな赤い鳥居が目に飛び込みます。明治期の俯瞰図にはすでに描かれているため、この時すでに存在したことがわかります。
赤い鳥居の先、現在の階段の下には石の鳥居がありますが、こちらは後世になってから、白根地区の倉庫町(里宮)に合ったものが移築されたものです。 
江戸時代に掘り起こされた古碑には平安時代を示す年号「文治(ぶんじ)三年」の文字が刻まれ、また、同じく刻まれている「如法経(にょほうきょう)」の文字からは、かつて山岳信仰や修験に関係する存在であったことがわかります(写真に見える「穂見神社」の文字は後刻とみられます)。
11月22日の夜から翌23日にかけては夜祭が行われ、現在でも県内外を問わず多くの参詣客でにぎわいます。
夜中舞われる太々神楽もまた見事で参詣客を魅了しています(現在では夜と翌朝のみ)。
夜祭では資本金貸しという風習も伝わり、全国的にも貴重な伝統行事といえます。
境内には5件の指定文化財があります。

県指定文化財
・穂見神社本殿 附棟札二枚
・穂見神社御正体
市指定文化財
・高尾穂見神社神楽殿
・高尾穂見神社の太太神楽
・高尾穂見神社の大スギ

また白馬(神馬)のいる厩もあります。狛犬もまた魅力的で全国的なファンがいるほどです。
是非高尾の集落とともに穂見神社もお訪ねください。
西地区有名計画のパンフレット(櫛形西小学校6年生作成)

穂見神社本殿 附棟札二枚

県指定文化財(建造物)
昭和40年8月19日指定
桁行5.10メートル、梁間3.20メートル、棟高9.30メートル、建坪25,91平方メートルの三間社流造の建物です。
銅板葺で乱石積の基壇上に建ち、寛文五年(1665年)信州系大工によって建てられた豪壮なものといえます。

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寛文五(1665)年の建立を示す棟札
「奉建立鷹尾山穂見神社御崎大明神御神殿神応成就」
とあります。(写真は右:表、左:裏)
宝永二年の修復を示す棟札
「奉御修復鷹尾山 穂見神社御神殿神応成就」
とある。(写真は右:表、左:裏)
裏面に上宮地村を筆頭に58の村名が記され、現在の南アルプス市だけでなく、御勅使川をはさんだ北側の韮崎市側も含めて多くの村々が勧化に応じた様子が伺われます。

穂見神社神楽殿

市指定文化財
明治24年(1891)の建立で、桁行1間、梁間1間、四面入母屋造の建物で、入母屋(いりもや)の軒には唐破風をつけ、東西南北に四神(朱雀・玄武・白虎・青龍)が彫刻されています。春と秋の例大祭では太太神楽(市指定無形民俗文化財)が奉納されている。

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春と秋の例大祭では太太神楽(市指定無形民俗文化財)が奉納されている。

山の暮らし

高尾集落は、
穂見神社の神前に広がる集落であるとともに
山と共に生きた集落といえます。

高尾には、魅力ある山の暮らし 魅力ある伝統がありました。
かつては「西を向いて」暮らし、
戦後は「東を向いて」暮らしたと言われるように、
かつては山とともに生き、林業や、炭焼き、天然氷などの生業が行われていました。


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沢沿いには天然氷を作った氷池2面と氷室の跡も現存しています。
写真はともに氷池の石積で、上の写真は外側を見上げているものです。
沢から水をひいた跡や、砂などを沈殿させる石積の沈砂槽も築かれ、現在もみることができる。
苔むした石積に、ノスタルジックな思いが誘われます。
氷池をさらに沢沿いに上流へ進むと、2基の炭焼き窯が遺されています。中でも写真の炭焼き窯は崩落せずに、完全な姿をとどめています。

高尾道

甲府や竜王方面から、上今諏訪、西野などを経て高尾を結ぶ道。
現在でも高尾街道と呼ばれます。
写真の道標は高尾集落から遠く離れた上今諏訪の地にあり、高尾道の旧道沿いに今もひっそりと佇みます。
右あしくら 左たかお と記されています。


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曲輪田からは山道となり、林業の盛んだった頃までは人が頻繁に立ち入っていましたが、近年は人も通らず倒木で通行困難な状況でした。これら古道の整備も最近はボランティアにより行われ、通行できる部分もダイブ増えてきました。
曲輪田からはすぐに断面形U字の蛇行した道が続きますが、これはかつてざっさいした材木を曳いた跡です。
古道沿いには、馬頭観音さまや、山ノ神さまが佇み、私たちを見守ってくれています。
神様や仏様に出会う道なんです。
秋の夜祭にはこの道を歩いて穂見神社を目指す提灯列が夜空に浮かんで見えていたといいます。
写真は、提灯行列の風景を再現しようと、平成25年に、提灯をもって古道を歩く企画をした時の様子です。
現在、使われなくなった古道を再生して通れるようにする取り組みをボランティアで行っています。
ご興味のある方はコメントもしくは南アルプス市文化財課までお電話ください!

上宮地道・平岡道

小笠原方面や、秋山・中野方面と高尾集落を結ぶ道で、上宮地区の田頭地区から山道が続いている。
この道沿いにもかつては家々が並んでおり、今ではその名残ともいえる石積みの跡や、庭先と見られる空間が残されている(写真)。
山道部分は、高尾道と同じく林業が衰退すると使われなくなっていた。
 現在はこの古道に平行するように高尾山林道が整えられており、通常高尾集落へはこの林道(舗装された自動車道)を用いている。
この古道はかつて高尾地区の子ども達が榊小学校へ通う際に通った道であり、帰宅の道すがら、水力発電の貯水槽の水を弁当箱のふたですくって飲むのが楽しみで、日課だったという。
この古道の中間地点に急に視界が広がる空間が出現する。
これが青野集落の跡で、その集落の入口(山側)に写真の石祠がある。山ノ神のひとつとみられるが、「天神」とも刻まれている。

富士見平(ふじみでえら)

新コース「8神々が宿る高尾の世界」の「富士見平ふじみでえら」ページはこちらから↓

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古道である高尾道から高尾山林道までを結ぶ作業道を下ると、林道上の崖上にたどり着く。見晴らしが良く、正面に富士山を望めることから、この場所を富士見平(ふじみでえら)と呼ぶ。
丁度、富士山の手前にみえる谷地形が逆さ富士のように見えることから
「高尾の逆さ富士」として一部に人気のスポットである
高尾古道再生プロジェクトでは、この付近の林道沿いに石標を設置しているのでこれを目安にしてください。石標横のはしごを上り、道なりに数十mの地点で、鋭角に古道が折れ曲がる角の地点です。眺望をお楽しみください。


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周囲には「しものこし」とよばれる畑地が広がり、
高尾集落の人々がこんな下の方まで土地をおこしにきたことから名づけられたといわれている。

青野集落跡

高尾集落と市之瀬台地とを結ぶ古道、上宮地道・平岡道を下ると、その行程のおおよそ半分で急きょ視界の開ける広い空間が現れる。
ここはかつて青野集落という集落があった場所で、厳密には上宮地(かつての上宮地村)の一部といえる。
現在はその広大な土地を活かし、牧場として活用されている
古道を下ると、旧青野集落の広大な土地へと降りた瞬間に目に飛び込む富士山の美しさはきっと忘れられないだろう。

牛捕淵(うしとりぶち)

新コース「8神々が宿る高尾の世界」の「牛捕淵」ページはこちらから↓

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高尾山林道の中腹、青野集落の下に位置します。
深澤川が高さ15mほどの滝のようになっており、滝つぼも深いことから、村人たちは山から鹿を追いやってこの滝つぼに落として捕獲したという伝説があります。
「うし」とあるのに「鹿」を捕ったということは「カモシカ」をとったいたのではないかという説もあります。
写真はその上部付近で、
淵付近は近年の大規模な崖崩れにより、埋まっており、往時よりも浅い雰囲気となっています。

高尾の夜祭

穂見神社の秋の例大祭はかつては夜通し行われていたことから「夜祭」とか「夜参り」などと呼ばれてきました。
夜祭は五穀豊穣、養蚕成就、商売繁昌にご利益があるとされ、静岡、長野、新潟などの県外からも多く参詣者が訪れています。始まりは定かではありませんが、遅くとも江戸時代の天明8年(1788)までさかのぼる史料があります。また江戸時代の後期にはすでに県内外の各地からの参詣者で賑わっていたようですよ。

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甲府方面や信州からの参詣客は高尾道を通って登拝したといい、江戸時代には旧暦の11月1日に、明治時代から平成7年までは11月30日から12月1日にかけて行われていたのです。
歴史の深さが物語るように数々の伝統が残った祭典で見所が盛りだくさんなのです。

見所については別の項目でご説明差し上げます!

御北穂坂家住宅主屋(国登録文化財)

【国登録文化財】
高尾集落のうちもっとも穂見神社に近い二軒のうちのひとつで、江戸期の絵図に「名主」と記されている家である。
 当家は古くから穂見神社の鍵を保管し、御北(オキタ)と呼ばれ、高尾集落で御の字がついて呼ばれる家は当家とすぐ西に隣接する御西と呼ぶ家だけである。
(画像は県)


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屋敷は東北から北側の隣地が低く、南側で道路に接し、道路側に長屋門、東南隅に南北棟の土蔵、主屋の東方に外便所があり、主屋の北方に牛小屋・物置・土蔵・味噌蔵などが東西に並んでいた。一部は現存しない。
 主屋は甲西町宮沢の大工につくらせたもので、主屋ができてから、明治二四年に同じ大工に穂見神社の神楽殿を造らせたといい、洋釘の仕様状況などからも、主屋の造営年次は明治二四年の少し前ころとみられている。
 主屋の規模は桁行一二間、梁行四間半。屋根は昭和30年代に瓦形に変え、前面の庇を切庇式に改めている。もとは葺きおろしの茅葺屋根で、土間妻側を頂部入母屋とした兜造、上手妻側を切妻(キリハフ、ただし妻の縁は庇)とし、屋根表側の中央三間に突上げのアカリトリを設けている。
現在まで変わらず暮らしている家で、昔からの高尾の伝統を今に伝えている。
高尾の夜祭時には、かつては参拝者のために民家を宿屋として提供しており、その際の看板や、天然氷を作成した際の史料なども残されている。

高尾穂見神社太太神楽

氏子による神楽師によって、例祭(11月22日)夜に奉納され夜神楽として有名である。20数種の舞に応じて面・冠・衣装・採り物などがあり、面は24面が保管されている。横笛・鈴などの楽器を用いる。
所在地/南アルプス市高尾485
所有者、管理者/穂見神社神楽会
指定年月日/昭和61年9月1日
備考/

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穂見神社銅製懸仏

径26.4センチメートル、厚0.3センチメートル、耳口間10センチメートルで2.0センチメートルの突起がある。表面に冠をつけ両手に笏を捧げて台上に座した神像の蹴彫りがあり、「甲斐国八田御牧北鷹尾 天福元年(1233年)云々」の銘がある。


所在地/南アルプス市高尾485
所有者、管理者/穂見神社
指定年月日/昭和40年5月13日

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高尾穂見神社の大スギ

社殿前の東に位置する境内一の巨樹で御神木とされてきた。目通り幹囲5.75メートル、根廻6.80メートル、樹高45メートル、枝張り東西25メートル南北20メートル。樹型は直幹、枝張り方錐形の美形である。



所在地/南アルプス市高尾485
所有者、管理者/穂見神社
指定年月日/平成5年11月25日

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高尾穂見神社の夜祭り (ふるさとメール2009年11月13日号)

根方の魅力⑨~高尾穂見神社と村々の祈り(上)(ふるさとメール2011年11月15日号)

根方の魅力⑩~高尾穂見神社と村々の祈り(下) (ふるさとメール2011年12月15日号)

高尾穂見神社の夜神楽~櫛形山の中腹で太々神楽のパイオニアがたすきをつなぐ~ (ふるさとメール2017年11月15日号)

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