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上高砂の枯露柿の輸出

写真は、高砂枯露柿組合作業所前での集合写真です。
枯露柿が出荷用の木箱に詰められ、積み上げられています。
残念ながら高砂枯露柿組合作業所のあった場所は、いまのところわかっていませんが、この写真の存在は、八田地区高砂の枯露柿が昭和初期にアメリカに向けて輸出されていたことを物語る貴重な資料です。

[画像:個人所有]


○博アーカイブはこちら
木箱に書かれた文字を拡大して読んでみると、
「DRIED PERSIMMONS」=「干し柿」とあり、箱によって「SEATTLE」=「シアトル」または、
「SAN FRANCISCO」=「サンフランシスコ」と行き先が記されています。

 シアトルは明治時代より初期の日本人移民が多く移り住んだ町で、日本郵船の定期便が就航していたこともあり、東洋貿易の中継地点として発展していました。
サンフランシスコもカリフォルニア州北部最大の日本人町があり、両都市ともに現在でも日系人が多く住んでいます。

[画像:個人所有]
 昭和初期、故郷をはなれてアメリカ西海岸やハワイで暮らす日本人移民のため、
12月のクリスマスデコレーションやプレゼントの時期に合わせて、現南アルプス市域の八田地区高砂や白根地区西野から枯露柿がさかんに輸出されました。
故郷を離れて暮らす日本人移民たちにとって、甘くて懐かしい、どんなに素敵な贈り物だったことでしょう。

[画像:個人所有]

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