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13.祭りと祈り

鋳物師屋遺跡

 市之瀬台地の縁に近い扇状地にある縄文時代中期中葉(約5000年前)のムラの跡で、直径130メートルの範囲に32軒の竪穴建物跡(隣接する〆木遺跡を含む)が発見されました。
 住居は真中に広場をもってドーナツ状に分布して建てられていきました。
 膨大な量の土器が発見され、日用品から祈り事用とみられるものまであり、205点の出土品が国の重要文化財に指定されています。
なかでも、「円錐形土偶」、「人体文様付有孔鍔付土器」は、当時の精神文化を知る貴重な資料であり、世界中の博物館で紹介されました。
円錐形土偶
 円錐(えんすい)のような形のお腹の中は空洞で、高さは約25センチ。土偶(どぐう)の中では大きい類になります。縄文時代中期(今から約5000~4000年ほど前)になると、このような自立する立体的な土偶が増えます。

 土偶は通常砕けた破片として発見されます。これにはいろいろな説があり、鋳物師屋遺跡でもそのような土偶の破片も見つかっています。しかし、円錐形土偶は肩の部分が折れているだけで、ほとんど壊れていない状態で発掘されたことから、他の土偶とは違った意味がありそうです。

 この土偶は乳房が表現されていることからほかの土偶同様に女性の姿を現していることが分かります。大きく膨らんだお腹には左手が添えられ、右手は腰をおさえています。そう、妊婦さんがお腹の赤ちゃんのことを大事に大事にしている様子が描かれているのです。

 この時代の平均寿命は30歳代だといわれています。家族やムラが繁栄するためにも、元気な赤ちゃんと、お母さんの健康と無事を祈ったのでしょう。鋳物師屋縄文人の愛情が伝わってきます。

平成27年8月22日 愛称が決まりました!!
皆様の投票により決定したのは!
「子宝の女神 ラヴィ」

ラヴィはフランス語で「命」のことのようですよ。
同時にキャラもできましたので下のほうの写真を見てみてください!
人体文様付有孔鍔付土器
(じんたいもんようつきゆうこうつばつきどき)
土偶が表面に張り付いた土器で、踊っているかのようなしぐさが特徴です。おなかの文様をみると円錐形土偶と同じことがわかるので、やはり日用品と言うよりも、祈りごとやまつりごとで用いられた土器だと考えます。
有孔鍔付土器というのは、土器の口縁部に鍔のような出っぱりと小穴がめぐっている土器で、未だ利用目的について解明し切れていないものです。
太鼓の皮を張るための穴という説もありますが、穴に太鼓として使用された痕跡が無く、これ自体が太鼓であると考えるのは難しそうです。
むしろ、ヤマブドウやニワトコの実の出土事例から、果実酒の醸造の空気穴だとする説が有効とも考えられています。



円錐形土偶や人体文様付有孔鍔付土器
はこれまで数々の海外の展覧会で紹介されています。

その履歴を紹介しましょう。


平成4年 鋳物師屋遺跡の発掘調査により5000年の永い眠りから目覚める
平成7年 重要文化財に指定される
平成7年 イタリアローマ市立展示館へ
平成9年 マレーシア国立博物館へ
平成13年 イギリス大英博物館へ
平成14年 韓国国立中央博物館へ
平成18年 カナダ国立モントリオール博物館へ
平成21年 イギリス大英博物館へ
平成30年 フランスパリ日本文化会館へ
    (Japonismes2018「縄文」展)


まさに 日本縄文文化を代表する土偶といえるのです。
これらは全て ふるさと文化伝承館に展示されています。
縄文時代のムラは土石流により移動を余儀なくされたようです。それより3000年後の平安時代になると、ふたたびこの地にムラが営まれ始めます。
平安時代の住居跡162軒や大量の墨書土器が発見されているのです。「大井郷」の一部とみられています。
「子宝の女神 ラヴィ」さま日本一に!!
土偶キャラの日本一を決めるイベント
「2015全国どぐキャラ総選挙 FINAL」で
見事1位に輝きました!
応援していただいた皆様
本当にありがとうございました!
普段も常にふるさと文化伝承館で会えます。その他市のイベントでも登場してます!
ひきつづき応援よろしく御願い致します。

ラヴィちゃんも登場して、櫛形西小学校の平成28年度6年生が鋳物師屋遺跡を世界に向けて発信しています!こちらもごらんください!

鋳物師屋遺跡の土器片にある圧痕を調査した結果、多くの種子類の痕跡が発見されました。写真はダイズの痕跡で、青色のものがシリコンで作成したレプリカです。
その他、アズキ、エゴマ、そしてなんと山梨県ではじめてニワトコの痕跡も発見できました。
最先端の研究法であらたな発見も相次いでいる鋳物師屋遺跡なのです。
西地区有名計画のパンフレット(櫛形西小学校6年生作成)
(語り部:平成23年度櫛形西小6年生)



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