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時代で選ぶ - 平安

神部神社 曳舟神事

小笠原長清と縁の深いとされる下宮地の神部神社。に伝わる「曳舟神事」。古くは「船祭」「舟引祭」とも呼ばれ、水のないところで舟を曳く、それは珍しい神事なのです。
 かつては旧暦の2月2日に行われており、現在は3
月2日に近い日曜日に行われています。
※駐車場はありません。地域で受け継がれてきた神事です。ご理解をお願いいたします。


○博アーカイブはこちら
 朱色の塗りがとても印象的な「神部神社」。平安時代に編さんされた『延喜式』神名帳に名前がみえる由緒正しい古社で、大和国(奈良)の大神神社(現三輪神社)から祭神である大物主神(三輪明神)をお招きして創建されたといわれ、神事はその時の様子を再現したものだといわれます。
 『甲斐国志』(※3)には「船祭トテ遷座ノ時ノ式アリ(中
略)船ニテ此ノ地ヘ渡リ給ヒシ式」と記されており、甲府
盆地が湖だったために、神が奈良から船に乗ってやってき
たというのです。
 実際に甲府盆地が湖水だったとは言い難いのですが、下
宮地周辺も水害に苦しんだ歴史がありますので、舟はまさ
に生命線といえます。また、富士川舟運にみられるよう
に、大切な物資は富士川を上ってきましたから、やはり、
舟は生命線といえます。大物主神は水神ともされています
から、そのような表れから、舟で神が渡ってきたという逸
話が伝えられているのかもしれませんね。
SCENE 1
舟曳き
 二本の綱を氏子の皆さんで曳いて鳥居の下まで進み、
鳥居に向かって宮司が矢を放ちます。四至を祓い除ける
意味として矢は4本ずつ2回放たれます。その後、拝殿
まで舟を曳いて戻ります。
SCENE 2
歩射での占い
 「舟引祭御弓場」と刻まれた石柱の前に的が
設置され、鳥居と同じように8本の矢を射て、
厄を祓うと同時にこの年の豊穣を占います。
SCENE 3
御遷座式斎場にてくじらの汐吹き
 現在では祝詞を唱和していますが、もともとは神
様が舟で渡ってきた時にみた光景を、神官と問答し
ている様子を再現していたようで、舟からみた鯨の
汐吹きを表現するために、最後には盃に注いだ酒を
ふりまきます。

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