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時代で選ぶ - 昭和

果物の緩衝材「木毛(もくも・もくず)」

 「木毛」とは、木材を糸場に削り、デリケートな果物を梱包する際に詰め物にした緩衝材のことです。
全国的には「木毛」と書いて、「もくめん」とか「もくもう」というようですが、ここ南アルプス市白根地区では「もくも」や「もくず」と呼ばれているようです。
現在では、「ウッドパッキン」として販売されてもいます。
 昭和30年代終わりまで桃の出荷は木箱でしたが、昭和39年頃になると段ボール化がされ、特にデリケートでキズの付きやすい桃の大量生産・販売が進みました。
しかし、桃の荷造りでもう一つ大きな問題は箱に入れる緩衝材でした。
従来、木毛は箱の上下に入れて桃を保護していたそうです。
まず段ボールの底に平均して敷いて、新聞紙で押さえました。
同じことを桃の上部にあたる蓋の所にもしなければなりませんでした。
そのころ、西野農協では昭和32年に桃の重量選果機の試作機を先駆けて導入し、東洋一の選果場を持つといわれていたのに、せっかく共選でももを機械で迅速に選果しても、荷造りが停滞するという問題に直面していました。

[画像:個人所有]
 木毛について記載された平成5年発行の山梨県果実連史によると、、、

『木毛の埃が大変。作業している人は猛暑の中で、長袖で作業しなければならない。
汗か泣いているのか判らないような仕事が、ウレタンの使用で一挙に解決された。
たしか、石和町の英組合で最初に使用されたと思う。
弾力、保温など心配されたが、便利、安い、簡単と三拍子そろった資材であったので、直ちに全県下に普及し、現在のウレタンネットへと向上した。(山梨県果実連史平成5年発行)』

この記事からもわかるように、木毛を使っての梱包は大変な作業だったことが分かります。

[画像:個人所有]

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