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小笠原の金丸商店

 こちらは、現在整理中の平岡河野家資料にあった、小笠原金丸商店が出した領収書です。
 この領収書を見ると、購入した品名の箇所には、「白土、角又、晒、岩城」などの文字が見えます。

○博アーカイブはこちら
 角又とは、海藻を乾かしたもので、壁土に混ぜて使う糊料です。おそらく、平岡河野家から漆喰壁を塗る依頼を受けた左官屋の古屋九十郎さんが、小笠原の金丸商店で購入した材料の領収書だと考えられます。

←小笠原二丁目にある白壁の土蔵(金丸家)
 次に、こちらの引札をご覧ください。
 令和2年1月からふるさと文化伝承館で開催していたテーマ展に出品していた、小笠原金丸商店の引札(ひきふだ)ですが、屋号も一致しているので、領収書を出した店の引札(宣伝用のビラ)だと思われます。
 この引札見ると、「呉服太物類?和洋綿糸染糸類 其他雑貨大販売」と描かれているので、小笠原商店は綿問屋でありながら、建築資材まで買うことのできる、その他雑貨の品揃えが豊富な店であったことが分かります。
 小笠原二丁目の金丸家では、残念ながら、商店を営んでいたころの記憶はほとんど伝えられていないようですが、現在も内部をリノベーションして美しく保存されている明治3年築(平成6年改築)の土蔵の屋根には、領収書と同じ屋号入りの鬼瓦が輝いています。

←小笠原二丁目の金丸家の土蔵(令和2年2月13日撮)

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