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上今諏訪原家のSSと農業の変遷

南アルプス市内のあちこちで見かけるSS(スピードスプレーヤー)を使った農作業の様子です。
SSは、潅水や防虫害除けのための薬剤散布をするための作業車ですが、中でも南アルプス市域において最も所有率の高い500リットルタイプの小型SSの使用状況を、上今諏訪の原家所有のサクランボ園で見せていただきました。

山梨県のサクランボ栽培は、通常サイドレスハウス内で行われているので、小回りが利く小型のSSが重宝されています。

SSはサクランボ以外にも果樹全般(モモ、スモモ、ブドウ、カキ、キウイフルーツ)の作業に頻繁に使われます。非常に細かい霧状の水が後方についているノズルから180度放出されるしくみです。


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山梨(特に南アルプス市域)では一農家が多品目を同時に栽培するという特徴があるので、一品目あたりの農地が比較的小規模なため、小型のSSを果樹農家それぞれに1台ずつ所有するのが通常です。
(全国的には大規模農場が1000リットルタンク以上の大型を購入する場合が多いらしい)

山梨県でのSSの年間販売台数は300台ほどで、全国一の販売台数を誇ります。
御勅使川扇状地末端部とその直下の土地を有する白根地区今諏訪では、昭和40年代までは水稲と養蚕の組み合わせで生計を立てる家が多かったのですが、
昭和40年代後半からは養蚕が下火になったことと、稲作も止めて米よりも利益率の良い果樹栽培に転換する農家が増えたため、SS使用率も急に増えたそうです。
昭和58年からは今諏訪の隣の西野農協付近で観光サクランボ園が営業されるようになり、
昭和60年代に入ってからは白根地区での観光農園経営が本格化します。

名古屋圏からサクランボ狩りを目当てにバスで多くの観光客が押し寄せて、お土産用のサクランボを収穫して詰める人員が足りなくなるほど大忙しだったそうです。

[画像:個人所有]

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