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関屋のさくらまつりのチラシ

昭和40年代中頃に、関屋(せきや)という場所でおこなわれた「さくらまつり」のチラシをご覧ください。
関屋のさくらまつりのチラシ[昭和40年代(南アルプス市文化財課蔵)]


○博アーカイブはこちら
「関屋」とは現在の倉庫町交差点の辺りの場所のことをいいます。この関屋を中心に、飯野・在家塚・沢登・桃園の4区が接し、ちょうどこの交差点の南北で、旧白根町と旧櫛形町と境をなします。それだけでなく、関屋は駿信往還と高尾街道が交わる地点でもあります。
チラシでは、「さくらまつり」参加店の位置と店構えの様子がイラスト化されてわかりやすく、また、各店の紹介コメントも興味深いです。 
 たとえば、平成11年頃に廃業した斉藤製糸場の『今はオートメイションになっている。秋田から可愛い子チャンが働いている』とありますが、このチラシが配られたと思われる昭和40年代の製糸場の様相を的確に語っています。というのも、生糸の生産は昭和30年代半ば頃より自動繰糸機が全国に急速に普及しましたので、たくさんの工女が繰糸鍋の前に座って一斉に糸をとる光景はなくなっていました。そして、斉藤製糸場敷地内には女子寮も完備され、『秋田の可愛い子チャン』がたくさんこの地に働きに来ていたのは確かで、春繭が入る前の閑散期にあたるサクランボの収穫期には、近隣の農場に手伝いに出ていたという話もよく聞きます。さらに、彼女たちの中には結婚相手を見つけて現在、南アルプス市民としてこの地に根付いている方もいらっしゃるようですよ。
 それでは、このチラシに描かれているお店の場所が、いまどうなっているか見にいった時の画像を、昭和40年代当時のチラシに書かれているコメントとともに、お楽しみください。
法界さん(関屋の題目塔)『ごりやくあるよ 大きな石碑』(2020年10月2日撮撮影)
寿しユニオン 『味で勝負、気ップ千両 一度たべたら忘れられない味』(2020年10月2日撮影)
明治牛乳店 『シボりたての牛乳がいつでも安くのめる』(2020年10月2日撮影)
斉藤製糸場跡 『今はオートメイションになっている。秋田から可愛い子チャンが働いてる』(2020年10月2日撮影)
旅館南角や 『100年の歴史を持つ旅館。家族的なサービスで東京、大阪の営業マンが多い』(2020年10月2日撮影)
中込時計店 『時計・貴金属・メガネ サービス最高。ご主人がサービス良い』(2020年10月2日撮影)
今から50年ほど前のチラシですが、当時の関屋商店街の様子がわかるとてもよい資料です。

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