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十日市

戦国時代以前から続く伝統の市。
現在も2月の10・11日の両日に開かれ、甲府盆地に春を呼ぶお祭りとして親しまれている。
昔から十日市で売られていないのは「猫の卵と馬の角」と言われるくらい、何でもそろう盛大な市である。
古くは、法憧院の天文3年(1534年)の厨子銘に十日市場の村名が見える。


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「昔は年に2回開かれていた市でした」
江戸時代には旧暦の1月の10・12・14日と7月の10・12・14日の年に2回、合計6日開催していました。
1月の十日市は、お正月の用事や春の農作業の準備のため、
7月の十日市は先祖を迎えるお盆の用事を足すために行われました。
そのため、春正月の十日市はこの世の人のため、秋七月の十日市はあの世(先祖)の人のために開かれたとも言われています。
しかし、いつの頃からか、7月の十日市はすたれてしましました。

※現在は2月10日に開催されています。
これは、旧暦の1月10日が新暦の2月10日辺りにあたることから、2月に行っています。
安養寺に伝わる「鼻採地蔵縁起」という巻物。
この「縁起」は江戸の初めごろ、野呂瀬主税助(のろせちからのすけ)という十日市出身の尾張(現在の愛知)藩士が書き故郷へ奉納したもので、十日市の様子なども記されています。
「鼻採地蔵縁起」とは
ある時、田植え前の田んぼを平らにならす作業(代かき)の時に馬の鼻を取る人(馬の鼻先を竿で誘導する)が居なくて困っていると、安養寺のお地蔵様が童子の姿に身をやつして現れて手伝ってくれたという伝説。
この伝説から十日市場のお地蔵様は鼻採地蔵さんと呼ばれ、
農業を助けてくれる仏様として信仰を集めています。
「十日市が開かれる十日市場は、物流や文化の交差点だった」
十日市場は、静岡方面から富士川を遡ってくる文化と長野方面から富士川を下っていく文化の交差点に位置していて、古代から文化の交流拠点でした。
又、地形的にもちょうど、水に乏しい御勅使川扇状地と、水の豊かな地域との境界線にあり、それぞれの地域の産物を交換するのに都合の良い場所でもありました。
そんな場所だからこそ、ここで十日市が開かれているのです。
「十日市は、安養寺の門前で開かれているお祭り」
意外と知られていませんが、十日市は、実は十日市場の
安養寺に安置された鼻採地蔵「市神地蔵さん」の門前で開かれる
神聖なお祭りでなのす。

十日市に行く前は安養寺の鼻採地蔵さんにも是非お参りしてくださいね!

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