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六角堂の切子

 「切子」は切り紙細工の一種で寛文4年(1664)頃から六角堂の護符として地域に伝えられ(当時に代官に献上していたとする伝承が伝わります)、現在でも10月13日の例祭には六角堂に奉納してできばえを競ったあと、区内全戸にお守りとして配布されます。
 この「切子」は、美濃和紙を5枚~10枚程重ねて、手作りの切り出しや「つきのみ」と言う刃物を使い、図柄や模様などを「切り透かし」ていくまことに繊細な美しいもので、光に透くことから別に「おすかし」とも言われています。


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 図柄や模様は、人物や花鳥風月など自由ですが、地紋として「麻の葉」(あさのは)を使わなければならないとされています。「切子」は、沢登の若者達によって作られていますが、図柄を考え、仕上げるまで3ヶ月~半年もかかるので、その年の初めから制作に取りかかそうです。



 全国各地には、小正月や盆・祭典等の年中行事の折に神仏に捧げたり、聖なる空間を演出するために作られた切り紙や切子が伝えられている。この「六角堂の切子」は、全国に伝えられた切り紙や切子の中でも、特に繊細なものです。
 南アルプス市沢登には、如意輪観音と聖徳太子を祀る六角堂がある。毎年10月13日の例祭には、お堂の中に「切子」が奉納展示される。
 祭典に奉納された「切子」は、区の先輩達による審査によって等級がつけられ賞が与えられる。

 「切子」は、祭りが終わる14日に、観音様のお礼や供物と共に区内全戸に配られ、家内安全のお守りとして神棚などに飾られ大切に保存される。

 以前は、「切子」の奉納は、男子成人に限られていましたが今は、女性も参加するようになり、制作にかける長時間の根気と努力は、若者の修養の場ともなっています。現在、沢登区に「切子保存会」があり、伝承の中心となって積極的に活動しています。
山梨県指定無形民俗文化財(工芸技術)
指定 平成8年2月19日


沢登切子保存会のHPは↓です。是非ご覧ください。
http://kirikohozonkai.com/

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