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西野ブドウ栽培者の流儀

白根地区の果樹栽培者には、「品種の先取りにより、経営を安定させていく」という伝統的な考え方があります。

ブドウの木の経済寿命は30年だということで、常に、次期はどんな品種が流行るか見据えたうえで木の改植を順次行っていかなければならないのだそうです。


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西野の功刀幸男さん(昭和3年生まれ)は21歳から西野功刀家で祖父の代以前から行っていた果樹栽培を引き継ぎました。

39歳からは自宅農園の仕事だけでなく、その技術と人望、手腕を買われ、西野農協の理事や山梨果樹園芸会の理事なども歴任されました。非常に豊富な見識をお持ちです。
平成30年は、西野の功刀家のブドウは、巨峰→シャインマスカット・ジュエルマスカット→赤嶺・ロザリオビアンコの種類、順で出荷されました。

甲斐路の枝代わり早生品種「赤嶺(せきれい)」と緑色のブドウ「ロザリオビアンコ」という二つのぶどうは平成時代にスターだった品種です。
二つの品種ともに少し皮が厚めで種がありますが、食味の良いブドウです。
しかし、平成10年代から功刀家でも栽培してきたシャインマスカットが一昨年あたりから人気沸騰。種無しで薄皮大粒酸味全く無しが最近の品種のヒット要素だそうで、「赤嶺」と「ロザリオビアンコ」の時代は終わったとの確信を持ったそうです。
ブドウの木の経済寿命は30年だということで、平成の世の終わりとともに、この赤嶺とロザリオビアンコの木は切られます。
そして、すでに栽培している緑系のシャインマスカットと対をなして箱に詰める、赤系のなにがしかの品種(皮ごと食べられ、種なし酸味なし)に植え替えていくそうです。
幸男さんの中ではもうすでにシャインマスカットの次、(平成の次の世)に流行る品種を見定めています。

常に次期にどんな品種が流行るか見据えたうえで木の改植を順次行っていかなければならないのだそうです。
苗木として広く流通する前に新品種の良しあしを自分で確かめるために、台木の育成も自家農園で行っているそうです。

来年までに切ってしまう予定の、でもまだまだたくさんの立派な実をつける赤嶺(早生甲斐路)の幹をいとおしそうに撫でながら、
幸男氏は「品種の先取りにより、経営を安定させていく」という西野地区の伝統的な果樹栽培の考え方をこれからも実践していくのだと語ってくださいました。

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