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曽我物語の引札

明治大正期の引札(ひきふだ)です。引札は明治大正期の商店の広告チラシのようなものですが、色鮮やかでデザイン性に富み美しいので、お正月の初売りなどにおまけとして客に配られました。文化財としても、明治大正期に存在した地域商店の名前や販売品、所在地などを知る手掛かりとなり、当時の人々の生活を復元する上で価値の高いものです。今日はその中から曽我物語をデザインした一点をご覧いただきたいと思います。
[「雑貨商上今井大和屋商店引札38×52㎝(明治・大正時代)」(上今井津久井家資料・南アルプス市教育委員会文化財課蔵)]


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こちらの引札は曽我兄弟の物語を題材としたデザインとなっており、右上部分には『最新流行浪花節』として、なんと!物語のあらすじが文章で添付されている比較的珍しいタイプです。浪花節とも呼ばれる浪曲(ろうきょく)は明治時代にはじまった話芸で、三味線を伴奏に独特の節回しで義理人情などを語るもので、明治大正時代には人気の娯楽でした。
[曽我物語のあらすじ『最新流行浪花節』の部分]
曽我物語は鎌倉時代初期に起きた「曽我兄弟の仇討ち」を題材としたお話です。「曽我物(そがもの)」と一括りで呼ばれるほど、この題材は能や歌舞伎、読み物や話芸、浮世絵や人形など多くの演目や媒体に広がりが見られます。そのため、引札が配られた明治大正期、昭和初期までは誰もがよく知るドラマティックストーリーでした。
[富士の巻狩場の曽我兄弟:「群千鳥」の着物で右に立つ兄の曽我十郎祐成(そがじゅうろうすけなり)と蝶の模様の入った着物の弟の曽我五郎時宗(そがごろうときむね)が討ち入ろうとする場面]
[虎御前:兄の祐成の愛妾の遊女。南アルプス市芦安地区の伝承では、虎御前は「芦安安通の生まれで伊豆大磯の富豪の養女となった」とある。また、安通の伊豆神社跡近くには虎御前が鏡を立てて化粧をしたという「虎御前の鏡立石」がある。さらに、恋人同士であった曽我十郎と虎御前の木像が伊豆神社から移されて大曽利の諏訪神社に保管されており、市の文化財に指定されている。]
また、静岡県や神奈川県などに多い曽我物語にゆかりの史跡ですが、ここ南アルプス市芦安地区と八田地区野牛島にもいくつか点在しており、西郡の先人たちには特になじみ深いお話だったと思います。ですから、当時流行りだった浪曲風に語ることのできる曽我物語が印刷されている引札となれば、充分な宣伝効果が得られたのではないかと思います。
[「山にト」の屋号の豊村上今井大和屋商店]
[上今井大和屋商店(2020年7月2日撮影):屋号が「山に平」であり、引札にある屋号と異なっている。これは、現在の店主家が昭和初期に隣家にあった引札の屋号の店から営業権を購入してはじめたためだとのことである。(津久井家聴き取りによる2022年7月)]
[上今井大和屋商店(2020年7月2日撮影):屋号が「山に平」であり、引札にある屋号と異なっている。これは、現在の店主家が昭和初期に隣家にあった引札の屋号の店から営業権を購入してはじめたためだとのことである。(津久井家聴き取りによる2022年7月)]

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