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かをりよき千代花香油

こちらは、「昭和初期から40年代位までの女性が使っていたヘアオイルを小売りする際に、店頭に置いていた容器」です。
[「かをりよき 千代花香油 東京千代田香油本舗」 130×395×230(mm)]


○博アーカイブはこちら
 この資料を寄贈してくださったのは、櫛形地区小笠原で昭和時代に「富士商店」という、よろずやさんをしていらしたというお宅です。
[昭和40年代の富士商店の内部]
 側面に「千代花香油」と打ち出された、なんとも趣のある金属製の箱のふたを開くと、中には小分けされた油函が3つ。さらに、量り売りに必要な柄杓が一緒にセットされています。当時は買い物客が持ってきた瓶に詰め替えて売っていたということですね。
 「千代花香油」という商品は、香りを付けた鬢(びん)付け油で、昭和初期頃から千代田香油という会社が発売していました。鬢付け油は髪を固めたり、乱れを防いだりするのに使うスタイリング剤のような油のことです。
柄杓一杯で20円だったのでしょうか?ケースを開いた蓋の内側に値札が付いていました。
 この千代花香油は、日本髪を結うのに必要である伝統的な鬢付け油に、明治時代以降にヨーロッパから輸入され知られるようになっていた香水の要素を加えたもののようです。
香油函の底に少し香油の残りがあり、よきかほりを嗅ぐことができました。

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