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山梨県内の百貨店包装紙(松林軒・中込百貨店・岡島百貨店・山交百貨店)

にしごおりの人々も多く利用した、甲府の百貨店の包紙や紙袋をご紹介します。
松林軒デパートは、昭和12年(1937)に、現在の甲府市櫻町で営業開始しました。昭和20年7月7日の甲府空襲で全焼してしまいましたが、昭和29年に甲府松菱として再開した後、昭和38年に買収されて山交百貨店として甲府南口にその系譜をつなぎますが、残念ながら令和元年に閉店となりました。


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日本各地の百貨店文化は、明治時代末に、江戸時代からの呉服大店が次々と百貨店に転身したことからはじまりました。伝統的な店先の座売りを脱して百貨店になるには、近代的な食堂やショーウインドウ等を完備した洋館を建てて、他分野多種の商品を棚に陳列する必要がありました。
真ん中の楼塔の窓に「松林軒菓子」と「みやげ菓子」と文字があり、商店時代からの主力商品だったことを伺わせます。
松林軒の「販売種目」をみると、階下に食品やお菓子類が充実し、2階に美術品や季節品陳列、最上階は喫茶食堂になっていて、典型的なデパートのレイアウトです。
「松林軒」デパートの包装紙(南アルプス市文化財課所蔵)
昭和38年から甲府南口駅前にあった山交百貨店は、平成元年にスパイラルエレベーターを導入するなどのリニューアルを経て集客しましたが、令和元年9月に閉店しました。


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「山交百貨店」の包装紙と紙袋(野牛島藤巻家資料より・南アルプス市文化財課所蔵)


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「中込百貨店」は、甲府市橘町(現:丸の内1丁目)に昭和40年代末まで営業しており、この包装紙は、昭和23年から昭和48年の間に使われたものです。(南アルプス市文化財課所蔵)


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甲府の大店であった「中込呉服店」は、昭和20年で甲府空襲で焼失した後、昭和23年から「中込百貨店」として甲府市丸の内で三階建ての店舗で営業していました。昭和48年からは「アーバン中込」という名称でリニューアルしましたが、昭和50年(1975)頃までに百貨店は廃業しました。中込百貨店閉店後の場所には、その後、甲府西武デパートが営業し、平成10年に撤退しました。現在、山梨県防災新館の建物が建っています。
「中込百貨店」の包装紙(南アルプス市文化財課所蔵)


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岡島百貨店は、1843年(天保14年)から甲府中心市街地岡島柳町5番地(中央2丁目13番4号)で店を開き、同地で、岡島と改称し百貨店として営業開始したのは、昭和11年からだそうです。
ちなみに、国立国会図書館のデジタルコレクションにある、明治5年10月(1872)「甲府買物独案内」をみると、舶来物の布地やお茶や煎茶道具などを売っていたことがわかります。
昭和40年代の岡島の包装紙(野牛島藤巻家資料より・南アルプス市文化財課所蔵)


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甲府では、昭和11年以降、岡島・松林軒・中込、戦後は松菱・山交・西武と次々と百貨店が参入・出現し、昭和時代から平成時代に掛けて、しばらく3店舗競合の時代が続きました。そのなかにあって、岡島百貨店は山梨で最も長い間営業し続けていることになります。


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