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時代で選ぶ - 昭和

昭和34年災害(伊勢湾台風)の養蚕被害

昭和34年、山梨は大規模な台風災害に見舞われました。まずは、8月13日を中心に大水害を起こした第7号台風が、そして9月26日には強大な暴風雨で県内の藁ぶき屋根の家々をことごとく吹き飛ばし破壊した第15号台風(伊勢湾台風)が立て続けに襲いかかりました。まさにダブルパンチで甚大な被害をもたらしたため、「昭和34年災害」と呼ばれて語り継がれています。
[飯野東条家昭和34年災害資料8「十五号台風による玉穂村の惨状」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)]
今回は昭和34年当時に県下で主要な産業の一つであった養蚕業の被害状況がわかる玉穂村(現中央市)の画像ご紹介したいと思います。
[養蚕ブームも風と共に去った桑園被害飯野東条家昭和34年災害資料8「十五号台風による玉穂村の惨状」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵):強風により、枝には引きちぎれた桑葉の残がいのみ。これでは葉のみ食べる蚕は育てられない。]
[収穫寸前の蚕の惨状(玉穂村林家)飯野東条家昭和34年災害資料8「十五号台風による玉穂村の惨状」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵):蚕に繭を作らせる場所となる道具(回転蔟)が潰れた家の外に積み上げられているのがわかる。回転蔟の枠の中には白い繭がたくさん詰まっており、収穫寸前であったことがうかがえる。]


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[玉穂村窪田家(飯野東条家昭和34年9月災害資料9「玉穂村台風15号被害状況(住宅)」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)):崩れた家から運び出された回転蔟]


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[玉穂村山村家(飯野東条家昭和34年災害資料9「玉穂村台風15号被害状況(住宅)」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)):家の外に運び出された回転蔟セット]


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[玉穂村石原家(飯野東条家昭和34年災害資料9「玉穂村台風15号被害状況(住宅)」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)):大風で2階の壁が吹き飛ばされ、藁屋根が捲りあがっており、吊り下げられた回転蔟がむき出しになってしまった。家の外では家族が集まって片付けの話し合いをしているのだろうか?)]


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[玉穂村米山家(飯野東条家昭和34年災害資料9「玉穂村台風15号被害状況(住宅)」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)):蚕を飼う平籠を乗せる蚕棚と回転蔟より古い形態の藁蔟が戸外に吹き飛ばされているのが見える)]


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養蚕業への被害画像がみつかった玉穂村(現山梨県中央市)に伊勢湾台風が来たのは9月26日のことですが、その時期はまさに、貴重な現金収入となる晩秋蚕のちょうど収穫時であったはずです。必死に家の中で雨風から守って大切に育ててきた蚕まで家とともに台風に吹き飛ばされてしまうなんて、それまでの苦労が水の泡になるような落胆を人々に与えたに違いありません。


これらの画像が貼られた資料には「十五号台風による玉穂村の惨状」として、

『 人的被害 軽傷10人
 建物被害 全壊76戸 半壊91戸 非住宅全壊250棟
 農作物被害 水田冠水50町歩 水田倒伏300町歩 蔬菜60町歩 養蚕5500瓦』

と記載されています。
『養蚕5500瓦』の瓦という単位は現在のg(グラム)のことですので、おそらく蚕種の掃き立て量で5500グラムの被害があったということだと考えられます。

養蚕業そのものは昭和40年代中頃からどんどん衰退した産業ですが、昭和30年代は第2次世界大戦後もっとも蚕糸業が好調であった時代ですので、伊勢湾台風での養蚕被害状況画像が多くとりあげられているのは、当時の産業背景が反映されている結果だと思います。

[玉穂村米山家(飯野東条家昭和34年災害資料9「玉穂村台風15号被害状況(住宅)」より(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)):蚕を飼う平籠を乗せる蚕棚と回転蔟より古い形態の藁蔟が戸外に吹き飛ばされているのが見える]


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