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県内初のSS導入

スピードスプレーヤー、通称エスエス(以下、SS)は薬剤噴霧器を搭載した特殊車両のことです。

果樹地帯である南アルプス市内では、春先から晩秋にかけて、道路ですれ違ったり、交差点で信号待ちしていると前後に挟まれたりなんかして真っ赤なダンゴムシみたいなかわいい車体のSSに、普通に遭遇します。

SSの大手メーカーさんに聞いたのですが、「山梨はSSの年間販売台数が全国一ダントツに多い」というのです!
大手3社合わせて年間約300台も売れる県は他にないのだそうです。
隣県の長野県や静岡県では年間100台にも届かないそうです。
山梨以外の日本の名だたる果樹栽培県では、集約した農地を持つ比較的規模の大きな農家が積載容量1000リットルキャビンタイプ等、大型のものを買う傾向にあるのに比べ、山梨は500リットルタイプの小容量が主流ですが、果樹栽培一家に一台ほぼ存在しているので、販売台数が多くなるようです。

そういえば、この辺の住宅街の車庫には普通乗用車の横にSSが停めてあるのを見るのはフツーです。
しかも、山梨県で一番最初にこのSSを導入したのは、現南アルプス市の西野農協で、県内第一号の導入実績を持ちます。
昭和33年1月25日に共立のSS-1型が納入されました。「スピード・スプレーヤ西野農協え入る 知事『富士号』と命名」というタイトルの興味深い新聞記事も見つかりました。
この日には、西野農協共選所そばの西野小学校校庭に天野山梨県知事を招いて、入魂式がおこなわれたそうです。
記事には、『神官による儀式の後、天野知事より「富士号」と命名された。この後、西野小学校校庭でエンジンの音も高らかに試運転が行われ、百ケの噴口から直径二十メートルに広がって噴き出される霧は晴れ渡った富士をもかくし、喜びのうちに式は終つた。』とあります。

[画像:個人所有]
SSが日本に導入されたのは昭和30年北海道余市町のリンゴ農場でのアメリカFMC・ジョンビーン社から輸入のけん引式が最初です。これに刺激された日本の技術者たちが開発をはじめ、翌年の昭和31年には長野県須坂市の昭信自動車が車に噴霧器を搭載した自走式の「スピードスプレイヤー」を、
昭和32年5月には共立がけん引式「スピードスプレーヤSS-1」を長野県小布施のリンゴ園に初導入、
昭和37年には戦前より噴霧器メーカーとして実績があった丸山がけん引式「ステレオスプレーヤ」を相次いで開発しました。
この流れにあって、西野農協は共立が昭和32年5月に納入した長野県の小布施に何回となく視察・調査を行って討議した結果、昭和32年中に購入が決定し、年が明けた昭和33年1月に納入となったようです。←新聞記事に記載の富士号の性能。
西野の功刀幸男さんによると、最初に西野で導入した第一号のSSは、たいへん大型で専用運転手が雇われていたとのことです。
記録によると、共立開発の3.63mの噴霧器を長さ2.921mのイギリス製のけん引車ファーガソン(軽油37馬力)が引っ張るもので、SS全体としての長さは7m近くにもなり、巨大だったことがわかります。
昭和40年代から出回るようになったコンパクトで小回りが利くように設計された自走式SS500リットルタイプが、だいたい全長3m弱なので、なんと倍以上の長さ(大きさ)だったんですね。
南アルプス市域の初期のSS導入実態を、功刀氏の記憶と白根町誌の記述を合わせてまとめると、

①まず昭和33年1月25日に第一号の「富士号」が西野農協によって導入され、農協管轄下で運用された後、

②次に、西野で昭和37年から39年の間に2つのグループ(長谷部さんと功刀さんを中心とするグループ)が共立が開発に成功した直後の自走式をそれぞれ1台ずつ購入し、

③昭和40年~42年にかけて旧白根地区内で新たに3台の自走式SS(西野:昭信製1台、在家塚:昭信製1台、今諏訪:メーカー不明1台)が導入されていき、ひろがっていきます。

功刀幸男氏によると、昭和33年の西野農協のSS導入は山梨の果樹栽培機械化への幕開けを象徴するものだったといいます。
知事を招いて大々的に行われた入魂式の報道は、県内の果樹栽培者たちに、大きなインパクトを与えたに違いありません。

[画像:個人所有]

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