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地方病とたたかうポスター

「地方病とたたかうポスター」をご覧にいただきたいと思います。山梨で明治20年頃から「地方病」と呼ばれはじめた病は、日本住血吸虫症というのが正式名で、お腹に水がたまり死に至る恐ろしい病気でした。この地方病との闘いが終息したと山梨県が宣言したのは、平成8年のことです。
山梨県が製作したこの地方病予防広報・啓発ポスターを見出し部分から読んでみますと、『三百余年前から蝕ばまれ悩まされ続けて来た地方病 今こそ完全撲滅の絶好の機会!!県政の重大施策としてとりあげてここに三年、有病地の指定解除、宮入貝の減少、患者の著減等々成果は上々である。 この好期をおいていつの世に根絶することができよう、みんなで力を併せて一挙に駆逐するよう今一段の努力をいたしましょう。』とあります。
このポスターには製作年が記載されていないのですが、見出しの文面と、「現在実施している予防対策」の項にPCBという薬剤によるミヤイリガイの刹貝と、コンクリート溝梁化工事に年間一億のお金をかけている」といった文言があること、当該資料の含まれる資料群全体の年代構成からかんがみて、この地方病対策ポスターは、だいたい昭和30年代中頃に作られたものではないかと考えています。
順にみていくと、当時の山梨県では、まだ地方病に多くの人が県内の有病地で罹患していていましたから、その検査方法や罹るとどんな症状が出るのか?どうして罹患するのか?罹患しないようにするにはどうしたらよいか? 治療法はどんなものか?など、地方病のすべてが解るように構成されています。
こわくない感じで、親しみやすいゆるめのイラストですが、宮入貝の体の中で、日本住血吸虫がミラジウムからセルカリアに成長して、人間の体の中に侵入する、というメカニズムがよくわかります。地方病と検索すると必ず出てくるあの有名な『日本住血吸虫の生活史』の図とはおもむきが違っています。
宮入博士がミヤイリガイを発見し、さらに、「ミラジウムから人間の体に入り込むことのできるセルカリアへの変化は、ミヤイリガイの体中で起こる」という仕組みを解き明かせなかったら、日本住血吸虫病を予防したり、根絶することもできなかったんです。日本の感染症研究者たちの功績に感謝せずにはいられません。戦国時代より記録のある山梨の奇病、「地方病」が、このセルカリアが体に侵入することから起こるなんて、研究者無くして誰が想像できたでしょう。
地方病の仕組みが完全に解明されていた昭和時代ですが、撲滅への道は長く厳しいものでした。結局昭和時代には、完全に打ち勝つことができませんでした。終息宣言という形での一応の勝ち名乗りを上げることができたのは、平成時代になってからでした。
それまでの間、恐ろしい地方病を一刻も早くなくすために、山梨の医師や県の予防課の職員たちは、多くの症例や実証実験、観察を積み重ねて、地方病撲滅の手立てを尽くしていったのです。
なかでも、予防対策として最も効力を発揮した、有病地にある水路をすべてコンクリート化する、という途方もない事業は、多額の財源も必要だったこと等から、政治家たちの力も得なければ実現できませんでした。

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